P2Pとは?ビットコインのネットワークが非中央集権的と言われるゆえん

ピアツーピアとは?

ビットコインのネットワークは管理者がおらず、非中央集権的な運営がされている。

とよく言われます。

管理者もいないのに、どうやってビットコインのネットワークを維持しているのでしょうか?

そもそもお金のやり取りなのに、管理している人がいなくても大丈夫なの?不安。

と思う方も多いかもしれません。

ビットコインは、ネットワークに参加するコンピューター(ノードとも言います)が相互に繋がる「P2P(ピア・ツー・ピア)」という仕組みを使うことで維持されています。

MEMO
*P2P(ピア・ツー・ピア)=peer-to-peer

ネットワークに参加するコンピュータそれぞれが、ビットコインのネットワーク維持に貢献しているということなんですね。

P2Pという単語を始めて聞いた方もいるかもしれませんが、実際にはLINEやSkypeなど、いろいろなところでP2Pの仕組みは使われています。

意外に身近なんですよね。

とはいえ、ビットコインのように「お金」にかかわるものを、中央管理者がいない仕組みの中で本当に信用していいの?

と思う方もきっといることでしょう。

この記事では、P2Pのメリット・デメリットや、ビットコインのネットワークはなぜ信用に値するのか?という点について簡単にまとめています。

P2P型とクライアント・サーバ型ネットワークの違い

P2Pについて知る前に、代表的なネットワークの型についてご紹介します。

クライアント・サーバ型とは?

P2Pと比較されるネットワークの形態が、「クライアント・サーバ型」というネットワーク構成です。

これは、以下の図のように、PCやスマホなどのクライアントからのリクエスト(要求)に中央のサーバが答えるような形でやり取りが成り立っています。

クライアント・サーバ型のネットワーク構成
クライアント・サーバ型のネットワーク構成

つまり、サーバがデータの管理者となっていて、全ての情報がサーバに一極集中する形になっています。

そのため、データの所在が明確である。というメリットがあります。

一方でサーバ一か所に集中する形であるため、サーバ負荷が大きく、サーバがダウンしてしまった際にネットワークがストップしてしまうというデメリットがあります。

サーバがダウンするとネットワークがストップする
サーバがダウンするとネットワークがストップする
クライアント・サーバ型のメリット・デメリット
■メリット
データの所在が明確
■デメリット
サーバ負荷が大きく、サーバがダウンしてしまった際にネットワークがストップする

P2Pとは?そのメリットは?

一方でP2Pは、ネットワークに参加する端末それぞれがデータを相互にやり取りしています。

P2P型のネットワーク
P2P型のネットワーク

ネットワークに参加するコンピューターのことを「ノード」と言うこともあります。

P2P型のネットワークは、データを分散管理することでネットワークにかかる負荷が分散されています。

また、仮に1つのノードがダウンしたとしても、他のノードがカバーするためネットワークがダウンすることはありません。

これを「ゼロダウンタイム」と言います。

P2P型のネットワークはゼロダウンタイムを実現できる
P2P型のネットワークはゼロダウンタイムを実現できる

ビットコインのネットワークはP2Pの仕組みを使っているため、ネットワークがダウンすることなく安心して使えると言われています。

お金のやり取りなのに、ネットワークが落ちてしまったら困りますよね。

MEMO
最近、頻繁にみずほ銀行がシステムメンテナンスでオンラインバンクやATPが使えない。ということがありましたが、困った経験がある人も多いと思います。
(みずほ銀行の場合はいきなり落ちたのではなく、計画的なものですが、それでも困りますよね・・。)

また、P2Pのネットワークは構築が安価にできるという特徴があります。クライアント・サーバ型のネットワークは処理量が多くなると中央のサーバを増やす必要があり、コストがかさみます。

それに対してP2Pのネットワークは中央管理者が不要ですので、クライアント・サーバ型に比べると安価に構築できそうですよね。

P2Pのデメリット

P2P型のネットワークはメリットだけではなく、デメリットもあります。

1つは、やり取りするデータが改ざんされやすいということです。仮にネットワークに参加する端末がデータ改ざんすると、それぞれのノードが持つデータと整合性が取れなくなってしまいます。

2つ目は、データが流出した時に食い止める術がないことです。仮に他の端末にデータが流出してしまうと、データを見つけ出すことが困難になります。

デメリットを見て、ビットコイン、大丈夫?と思った方も多いかもしれません。

しかし、ビットコインのネットワークはP2Pのデメリットをカバーする仕組みになっています。これがビットコインの革新的と言われるゆえんです。

P2P型のメリット・デメリット
■メリット
ネットワークがダウンしない(ゼロ・ダウンタイム)
安価に構築できる
■デメリット
データが改ざんされやすい

データの改ざんを防ぐ仕組み

ビットコインはPoW(Proof of Work:プルーフオブワーク)という仕組みが使われていることを聞いたことがある方も多いと思います。

PoWは直訳すると「仕事の証明」となりますが、よりなじみがある言葉でいうと「マイニング」です。

マイニングはビットコインのやり取りが記載されたデータと前ブロックのハッシュ値、ナンスを加えてハッシュ計算をしつづけ、特定のナンスを見つけたノードが報酬としてビットコインを得られる仕組みです。

マイニングのイメージ
マイニングのイメージ

このマイニングは特定のナンスを見つけるのに膨大な計算をしなければなりません。また、データを改ざんしようとすると、すべてのブロックの再計算をしなければならず、現実的ではありません。

ビットコインのブロックチェーンにおいて改ざんをするのは事実上不可能
ビットコインのブロックチェーンにおいて改ざんをするのは事実上不可能

詳しくは以下の記事でまとめていますのでご参照ください。

ハッシュ関数とは? ハッシュ関数とは?簡単に解説。ビットコインのブロックチェーンが改ざん不可能と言われるゆえん

ビットコインはこの膨大な計算をノード(マイナー)に課すことによって、データの改ざんを行うインセンティブを削いでいるといえます。

データを改ざんして、全てのブロックの再計算を行うくらいなら、真面目に計算を行って報酬を受け取った方が費用対効果がいいからですね。

つまり、P2Pの弱点である「改ざんがされやすい」という点をPoW(マイニング)の仕組みによって防いでいるのがビットコインのネットワークが優れている点です。

つまり、もともとのP2Pのメリットである

・ゼロ・ダウンタイム(ネットワークがダウンしない)
・安価に構築可能

というメリットに加え、PoWの仕組みの導入により

・改ざんが極めて困難

という特徴が付加できた。ということです。

中央管理者がいないP2Pという仕組み

ここまで見てきたように、中央管理者がいない中でお金(価値)のやり取りができる。

という点においてビットコインのネットワークが革新的だと言えます。

P2Pだけが優れている。というよりも、P2Pのメリットを生かしつつ、そのデメリットを解消する仕組みが導入されている点がいいんですね。

素人考えながら、やはりサトシ・ナカモトはすごいなぁと改めて思います。

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